2024年9月にプルデンシャル生命保険を退職した後は、ゆらしインターナショナルという会社を立ち上げ、代表を務めています。「日本の医療の選択肢を増やし、患者ファーストの医療に変革する」を掲げ、整体技術による医療機関との連携など、さまざまな取り組みを行っているところです。一見、畑違いに見えるかもしれませんが、本質は同じです。お客さまの体に直接触れる機会の多い整体や医療は、実は最も高度なコミュニケーション能力が求められる場所だと捉えています。信頼できない相手に自身の身体は任せられないからです。これまで学んできた営業として最も大切なことを、”お医者さんと一緒に、痛みを抱えた人に徹底的に向き合う”という道で活かしています。
例えば、お客さまが「僕、水が好きなんです」とおっしゃった時、あなたならどう返しますか?
「お水が好きなんですね、買ってきましょうか」とさらっと流すのは簡単です。しかし、私はそこで立ち止まります。「なぜ、お水なんですか?」と。水が好きな理由や背景を、少し掘り下げて聞いていくんです。すると、「実はお医者さんに言われて……」という健康上の問題が飛び出すかもしれませんし、「娘さんが勧めてくれた水がとてもおいしかった」という家族の温かいエピソードを聞けるかもしれません。
言葉の背景やストーリーを知れば、提案の質が変わります。「それなら、こんな方法もありますよ」と、相手の期待を上回るような価値のある会話や提案ができるかもしれません。それこそが私が存在している価値だと思うのです。相手への理解が深まるほど、「そこまで考えてくれるあなたにお願いしたい」という信頼が生まれていきます。
なぜ、同じ商品を扱っていても、売れる人と売れない人の差が生まれるのでしょうか?
その答えとして、私は「レベル10を知り、レベル11を考える」という概念をお伝えしています。
お客さまの頭の中には、業界ごとの「標準的なイメージ(期待値)」があります。家電量販店の店員さんなら、これくらいの接客だろう。ホテルのドアマンなら、これくらいの対応だろう。この「お客さまが勝手に想像している基準値」が「レベル10」です。多くの人は、このレベル10を満たすことを目指します。しかし、それだけではお客さまの記憶には残りません。「普通によかった」で終わってしまうのです。感動が生まれ、選ばれる人になるために必要なのは、たった「1」の違い、「レベル11」を提供することです。それは決して、大幅な値引きや過剰なサービスではありません。帰り際に、出口まで走って深々とお辞儀をする。お客さまの大切な床を汚さないよう、かばんの下にハンカチを敷く。このほんのわずかな微差が、お客さまの心に感動という大差を生み出します。
さらに、講演ではお客さまとの関わりを「先味(会う前の期待)・中味(商品・サービス)・後味(去り際の余韻)」という3つの時間軸で捉え、すべてにおいてレベル11を意識することをお伝えしています。ご興味のある方はぜひ講演にいらっしゃってください。
ただ、実は私はすべての講演で、一貫して同じ内容を話しています。相手の業界や仕事に合わせて内容を変えることはしません。なぜなら、参加者の皆さんはその業界や仕事のプロフェッショナルだからです。業界や仕事のことは誰よりも知っているはず。付け焼き刃の知識で内容を変えるよりも、私が経験した営業の原理原則を、ご自身の仕事に当てはめて考えていただくほうがいいと考えています。
ある信用金庫での講演では、研修の一環で事務職の方が半数ほど参加されていました。その中の一人が、話に感銘を受け、行動を変えました。今まで無言でただ置いていた書類に付箋をつけ、「よろしくお願いします」と一言添えるようにしたそうです。誰にでもできる、小さな「レベル11」の実践です。
彼女は昇進し、十数年後に再び私を講演に呼んでくださいました。「あの時の話で、仕事への向き合い方が変わり、人生が変わった」と伝えてくださり、こちらも感動しました。これは私の話が優れていたのではなく、その方が行動を変える「タイミング」にちょうど合っていたのだと思います。同じ話でも、聞く時期によって受け取り方や響き方が変わるものです。だからこそ私は、会場にいるたった一人でもいいから、その人の行動や仕事への向き合い方を変えるきっかけになるよう、情熱を込めて語りかけています。それが私の講演にかける一番の想いです。
1966年東京都墨田区生まれ。慶應義塾志木高等学校、慶應義塾大学法学部卒業。
小学校5年から大学4年までサッカー漬けの生活を送り、1989年株式会社リクルート入社。入社から退職まで96カ月のうち、月間目標を95カ月達成。部署最優秀営業マン賞を数回、全社年間最優秀営業マン賞を受賞。1997年プルデンシャル生命保険株式会社入社、営業職の最高峰であるエグゼクティブ・ライフプランナーに昇格。その年の年間営業成績(2001年度の社長杯)でトップとなり、全国約2000人中の1位のPT(President’s Trophy)を達成。元エグゼクティブ・ライフプランナーとして「保険」だけでなく「本当の顧客満足とは」「紹介をしてもらえる営業」「お客様に感動を与える営業」などをテーマに企業からの講演・研修依頼を年に40回程度受けるなど、営業のプロフェッショナルとして多彩な活動を行う。保険営業や講演・研修を通して、これまで1000人以上の経営者と出会い、約800社の企業を訪問してきた。
2024年9月プルデンシャル生命保険を退職した現在は、経験を生かし「日本の医療の選択肢を増やし患者ファーストの医療に変革する」を掲げ、整体技術による医療機関との連携など、ゆらしインターナショナル株式会社の代表オーナーとして日々奮闘中。
著書の「かばんはハンカチの上に置きなさい-トップ営業がやっている小さなルール」(ダイヤモンド社2009年)は、10万部を超え、韓国、台湾、中国でも翻訳本が発刊されるなど話題となっている。また2012年春に出版となった「仕事は99%気配り」(朝日新聞出版)も4回の増刷を重ねている。
株式会社一条工務店/株式会社オカムラ パートナービジネス推進部/株式会社かんき出版/株式会社嶋村/株式会社システムブレーン/株式会社タイム/株式会社パソナHRソリューション 東京本社 キャプラン教育研修事業本部/株式会社ペルソン/株式会社ライフプラザNEO/株式会社ルビー/ジブラルタ生命保険株式会社 横須賀第一営業所/SMBCコンサルティング株式会社/第一生命保険株式会社 浜松支社/大同生命保険株式会社 東京本社/トヨタファイナンス株式会社/日清医療食品株式会社/橋本総業株式会社/三井不動産リアルティ株式会社
※その他、地方公共団体、全国の商工会議所など、多くのご講演機会をいただいております。
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